2012年5月20日日曜日

カツ丼誕生100周年記念!日本一のカツ丼を探せ!!!

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うそ。
そんな大風呂敷広げたけど、まだ100周年になってないし、全国回って食べ歩いたわけでもない。ソースカツ丼とか塩カツ丼とか一切食べてないし、値段も1000円前後かそれ以下くらい。でもまあ、諸事情でカツ丼を5杯、五日間毎日一杯ずつ食べました。

じゃ、いつをもってカツ丼誕生100周年とするかってとこですね。カツ丼の生い立ちにはいくつか説があって、それはほとんどこの本の受け売りです。


1) 1921年2月に早稲田高等学院の学生、中西敬二郎さんが発明したという説。
    学校近くの行きつけのカフェーで悪ふざけをしたのか、トンカツを細く切り、
    ソースと小麦粉で煮て、どんぶりご飯に乗せたのが始まり。
    その年4月には銀座や日本橋の食堂がカツ丼をメニューに加え、
    夏には玉子とじカツ丼が大阪道頓堀に現れたという説。

2) 1913年、ドイツで料理修行をした高畠増太郎さんが、
    東京の料理発表会で(いまでいう)ソースカツ丼を発表して、
    早稲田鶴巻町にある「ヨーロッパ軒」で供していた。
    関東大震災後、故郷の福井にヨーロッパ軒を移転、人気を博する。

どちらの説もそれらしいですが、上記の本では(2)が有力なんじゃないかって。とすると、来年で100周年なわけです。今年はメモリアルカツ丼イヤー前年。来年はマスコミやら広告代理店が一大カツ丼キャンペーンを巻き起こすと思うので、その前にカツ丼の記事を書いておこうと言うのも、まあ、嘘です。理由は他にあったりなかったり。



で、今回食べ歩いた卵とじタイプのカツ丼、早稲田馬場下町の三朝庵が発明したという説が有力です。穴八幡神社参りをすると、まあここで休む事になるんだろうなって、すごい良い立地のお蕎麦屋さん。老舗です。 大隈老公宅にも蕎麦を出していたらしい。で、そんなお店でも当時高級品だったトンカツ。宴会がキャンセルになったとかで大量に余ってしまったらしい。 冷えちゃったトンカツ、出汁で煮ることで温めなおして、お客さんに出せばいいんでね?的な発想の転換で、今の卵とじタイプのカツ丼が生まれたらしいです。まあ、いずれにしても早稲田界隈の土地の発する電磁波みたいなものがカツ丼的なものを形成していったのではないでしょうかと適当なことを書いてみるテスト。

写真はクリックすると大きくできるテスト。

三朝庵のカツ丼セット

三朝庵はカレーうどんやカレー南蛮発祥の店(目黒の朝松庵が発祥の店だという説もあり)でもあり、何かとフロンティア精神に満ちた蕎麦屋さんなのかもしれません。とてもベーシックなカツ丼でございます。コシのあるパリッとした細麺のお蕎麦が美味しい。



まあ、天ぷらを供するお蕎麦屋さんなら、揚げ物を揚げる設備があり、出汁もあり、ちょっと蕎麦うどん以外の丼物として、相性がよかったのでしょうね。トンカツは冷えていても、温め直せるわけですし。例えば立ち食い蕎麦屋の「富士そば」でも看板メニューのになっているわけです。トンカツを揚げ置いて、卵とじする時に温めなおして出せるから、楽っていえば楽なのかも。

富士そば中野店のカツ丼セット

色々なお店が元祖を名乗るくらい、普及も早かったのかも。 刑事が取り調べ中に自供を促す際や、受験や試合に望む際に食べる験担ぎとして、人気を博するようになったのですな。ちょっとハレの雰囲気を漂わす食べ物でもありますので、毎日食べるもんじゃないです。胃腸にも重いしカロリーも高い。



ガッツリ腹にたまる食べ物でもあるので、ガテン系の人々にも大人気なわけで、築地場内の豊ちゃんなんかでも大人気です。

豊ちゃんのカツ丼と豊ちゃんの外観


豊ちゃんのある築地卸売市場1号館は、吉野家一号店のある建物。例の「頭の特盛」「つめしろ」「お湯割り」なんて特殊な隠しメニューのある吉野家と同じ建物。自分なりのカスタマイズはしたいけど、長々と注文するのは面倒臭いという特殊すぎる客層のせいで、豊ちゃんにも「あたまライス」「ないあたま」みたいな注文のしかたがあるらしい。あたまライスは、卵とじカツとライスを別皿で。「あたま」のあるなしは、カツの脂身を多めにか少なめか、みたいな。まあ素人の私には「カツ丼」とオーダーするのが精一杯なんですけどね。肉厚で、柔らかくて、三つ葉の香りも良い、ガッツリ系カツ丼。


で、蕎麦屋の他にも丼物揚げ物のお店でも味わえたりします。飯田橋にある「かぐら坂志満金(しまきん)」といううなぎ割烹の、昔料亭だったのかしら?って創業130年を超えるお店。15000円の会世紀料理とか一番高い鰻重で4,725円だったりとか、まあ、良いお店なんです。で、何故かその支店が荒木町に一店ある。志満金支店。地味な定食屋といった風体のお店なんですが、ここの鰻は本店より気軽なお値段。そしてなぜかカツ丼が人気。

志満金支店のかつ丼と志満金支店の外観

上かつ丼と(並)かつ丼の差額は50円。 で上かつ丼の方が数切れ多いのかも、カツの。でも初めて並を頼んでみました。連日のカツ丼で胃腸が弱りまくってたしね。肉厚でなんとも絶妙な火加減のカツ、微妙なつゆだく加減。漬物沢山。これまた美味しいです。素晴らしい。おばあちゃん元気で商い続けてくださいね。



で、カツ丼とか調べ始めると、dancyuだの有名なグルマンの山本某氏だのが日本一のカツ丼だと称しているお店が西荻窪にありました。坂本屋。商店街の普通の定食屋といった感じです。ラーメンや焼きそばや餃子がメニューにあるので、もしかしたら中華料理屋なのかもしれませんが、中華料理屋+定食屋といった地元のお店ってけっこうあるから、アレだよね、よくあるよね。

坂本屋のカツ丼と某益博氏の色紙

で、そのなんでもなさそうな(失礼)お店のカツ丼がデラ美味い。半熟で濃厚な玉子、ちょうどいいたれの量、サクサクかつジューシーなカツ。ほくほくグリンピース5個ってのがまたまたバランスが良いんですな。甘みというかコクがあるので、味醂やら砂糖やらの量もちょうどいいのかも。初めて獺祭飲んだ時みたいな鮮烈さを感じましたよ。そりゃ1500円だ2000円だって出せばそれなりに美味しくなるのは当たり前で、これで750円とかなんだから恐れ入る。日本一かどうかは判らないけど、でも、これ、物凄い上位に位置すると思います。これか、思い出補正のかかった学食のカツ丼とか、そんなのとか。他のメニューも美味しいらしいので、楽しみです坂本屋。



神田須田町の勝漫の大カツ丼とか、AKBの高橋みなみさんという人で有名な銀座梅林のスペシャルカツ丼とか、気になるカツ丼は多いですが、ちょうどカツ丼5杯でアイシテルのサイン。正直、もう当分カツ丼はいいかなって思います。いや楽しかったですけどね、カツ丼巡り。